社員インタビュー

できなかったことをできるようにすることがAI開発に取り組む原動力です

執行役員 VPoT / HE事業部門 AI開発部 部長 西村光平さん 2017年6月参画 ソニー株式会社に新卒として入社し、ギリア設立のきっかけとなる手書きタブレットプロジェクトへの参加を機にAIエンジニアの道へ。2017年6月のギリア設立のタイミングでギリアに参画。2021年11月に執行役員 VPoT(Vice President of Technology)に就任し、2023年2月からはAI開発部署を管掌している。

AIとの出会いと、AIエンジニアへの分岐点

学生時代は、インタラクション技術などの応用系の研究をしていました。最初にAIに関心をもったのは、大学院時代に顔認識技術に触れた時だったと思います。その後実際にAI分野に踏み込んでいったのは、就職後にギリア設立のきっかけとなる手書きタブレットプロジェクトに参加したことが契機でした。手書きタブレットを実現するための最適な手法を検討していく過程で、なだらかにAIエンジニアの道へと移っていきました。思えば、今までの研究とは違う分野へ進む分岐点ではありましたが、私は”何ができるか”に興味があるので、実現技術は何でも良かったというのが当時の正直な感想でした。検討する中で機械学習という技術の可能性を知り、面白いことができそうだなと思ったのを覚えています。
ギリアとは先述の手書きタブレットプロジェクトのメンバーとして入社前から関わりがあったのですが、黎明期から成長期に移っていくタイミングのギリアをより大きくしていきたいと思い、飛び込むことを決めました。

AI開発の仕事とは

AI開発部の仕事は、AIソリューションの構築におけるAI開発部分です。営業部門がお客様からヒアリングをして抽出した課題に対して、AI開発部のエンジニアが入って具体化していき、PoC(概念実証)を実施して技術を検証します。その後は、サービス開発の部署と連携をしてお客様の手元にお届けするのが一連の流れになります。

AIの面白さは、できなかったことができるようになること

AI開発の面白さは、三者三様だと感じています。精度を追求することに面白さを感じる人もいますが、私はこれまでできなかったことができるようになることが、自分自身のAI開発に取り組む原動力であり面白さだと思っています。AIはビジネスへの活かし方と課題解決のアプローチ方法を考えるところから始めて、できるかどうかを検証する中で最適なAI技術を開発していきます。設計通りの動きをする一般的なソフトウェア開発の観点とは少し違うやり方だと思います。
例えば、株式会社トライグループ様のトライ式AI学習診断の開発時は、解決したい課題に対して「どうする?どのように?」という段階から検討を始めました。企画段階で時間をかけて丁寧に議論を重ね、中にはなくした企画もありました。その甲斐もあって、企画と技術の両方がマッチしたサービスをリリースすることができ、AI開発の面白さが詰まっている案件の一つだと思います。



技術観点とビジネス観点をすり合わせる難しさ

本質的な課題解決をするためには、技術とビジネスのどちらか一方だけの視点ではダメだと思っています。お客様の経営課題へのアプローチだと解決策に辿り着くまでが遠すぎることもありますし、目の前の課題解決はできていても、汎用性がなくなってしまったり、費用面で難しかったり、本質的な解決にならない可能性もあります。時には、お客様から利用する技術のご提案をいただくこともありますが、技術・ビジネスの両面で最適な手法であるかどうかについてを、常に自分自身で問い直すようにしています。

VPoTとして、目指す会社の姿

指針は大きく2軸あると考えています。一つ目は、質の高さの追求です。PoCはR&D(研究開発)の要素も強いので、そのまま搭載するとソフトウェアの観点では品質が低くなってしまう可能性があります。なので、R&D要素も含むPoCを重ねた上でのAI開発の高い精度は保ちつつ、ソフトウェア品質の面でも綺麗に届けていくことがお客様への価値提供に繋がると考えています。
二つ目は、技術力を高めていくことです。テクノロジーとビジネスがマッチする分野を探索して見極め、ギリアの武器が何であるかは常に考えないといけないと思っています。研究開発部門のレポートや、学会で発表された論文、各企業や研究者のSNSなどを見て、世の中の流れを把握した上で、技術力を高めてこそ、さまざまなお客様の悩みを聞いた時に、幅広いお客様の手助けが可能となる最適な技術領域が見えてくることもあると考えています。

最後に、自身が目指す姿

VPoTとしての技術戦略の仕事は自分自身にマッチしていると感じています。今はAI技術に寄っていますが、会社としてどういう技術領域に投資すべきか良い判断ができるようになっていきたいと思っています。現在、世の中でもAIがブームになっていますが、必ずしもAI技術だけに限る必要もないと考えています。できなかったことをできるようにすること、新しいことができることが自分自身のモチベーションなので、幅広く技術全体を見る中で新しいさまざまな技術を取り込んでいって、時代の先端を走っていけたらと思っています。

―personal life―
―personal life―

学生時代に折り紙のサークルに入っていて、当時の仲間と折り紙のプロチームを立ち上げて活動をしています。折り紙は幼稚園の頃から好きでしたが、ハマったのは8歳の頃。図書館で借りた折り紙の本に「アレンジしてみよう」と書いてあって、自分で作っていいんだと思ったのがきっかけでした。折り紙の面白さは、モノづくりの面白さと同じで、自分が作りたい形に折っていける点です。折り紙には、表現のレイヤと設計のレイヤがあって、同じ一つのテーマでも人によって表現したい形も違えば、その形を表現するための設計も変わってくるため、まとめて完成した時に面白さがあります。最近は年に1〜2回プロチームの活動で折るくらいなのですが、その年の干支を折り紙で折って実家に送るのは毎年恒例になっています。

※本インタビューは2023年4月時点のものです

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